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「腕」と「ワキ」を見直して飛んで美しいスイングを手に入れよう!

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美しいスイングが評判の宮田成華プロに、美しく、なおかつ飛ぶスイングを解説していただきました。上半身で重要なのは「腕」と「ワキ」だそうで…

大きくしなやかに上半身を使い
〝特大のスイングアーク〞で飛ばす

アドレス時にできた腕の中の二等辺三角形の形をキープしながら、大きなスイングアークを描く。クラブヘッドと体の距離を大きく離したまま振るのが「上半身の正しい使い方」だ。

スイングアークがとても大きいのも、宮田スイングの特徴のひとつ。165センチの身長は大柄な体格ではないが、そのダイナミックなスイングが実際よりも体を大きく見せる。これは上半身の使い方にもポイントがあり、体とクラブヘッドとの距離をできるだけ離すことでスイングアークを最大化、クラブヘッドにかかる遠心力を大きく引き出しているのでパワフルに感じられる。

「上半身は筋力に頼って振らないように気をつけています。筋力に頼るとブレが大きくなり、再現性が下がってしまうので」というように、スイングの大きさで飛距離と方向性を両立。その結果、宮田は24年シーズンのイーグル獲得数9位にランクイン。飛んで曲がらないロングショットを武器にしている。

バックスイングからフィニッシュまで腕とクラブの長さを最大限に活用している

バックスイング

ソールで芝を擦るくらい、ヘッドを低く遠くへ上げていく。これが大きなスイングアークへの助走となる

トップ

腰の左側と右肩を近づけるように深く捻転。背中全体にできたウエアのシワが体の捻転の大きさを表している

フォロースルー

素振りかと思うくらい、上半身にリキみがない。お腹や下半身でパワーを出力し「腕はそれにつられて“振られる”だけ」というのも上半身の正しい使い方のポイント

両腕とクラブが一直線に目標方向へ伸びるフォローは、まるで砲丸投げ。「飛距離と方向性を上げるために欠かせない形です」(宮田)

【POINT1】
ワキを〝閉じる〞は×〝締める〞は⚪︎

「ヒジをお腹に近づけてワキを“閉じる”と腕は長く使えません。右手をヨコに伸ばして肩からうしろへねじるように外旋させてワキを“締める”のが正解です」(宮田)

【POINT2】
アドレス時の手首の角度をキープ

「スイング中、手首の角度を変えない意識で振ると腕を長く使えます」と宮田。手首を曲げると、クラブヘッドが体に近づきスイングアークは小さくなってしまう(×)

【POINT3】
「スイングアーク大」の秘けつは
肩関節を外旋させてワキを〝あける〞

クラブヘッドを体からなるべく遠く離してスイングアークを大きくするとき、一般的にワキを“あける”ことはNGとされている。しかし、宮田は「ワキがあくのは気にしていません。でも、ワキをゆるめるのはダメです」という。

このふたつの言葉の意味の差は“肩関節の外旋”の有無にある。アドレスで胸を開くように両肩から腕を外旋させると、向かい合っていた両ヒジの裏側が体の正面を向く。スイング中にこの状態をキープすると、自然に両腕が伸び、結果的にスイングアークは大きくなる。これは、宮田のコーチが日本の伝統的な武道の動きを学び、着想を得たとのことだ。

「バックスイングでは左肩、インパクト後は右肩が内旋しないように注意しています」(宮田)。両肩関節の外旋がキープできれば、前腕が内旋したり、ワキがあいてしまってもいいそうだ。

左前腕は内旋、上腕は外旋をキープ。ヒジを境目にして腕が逆方向へねじれている

バックスイング

腕を伸ばすときの注意点。腕を長く使おうとして体ごとスエーするのは軸がブレてしまうので×

ダウンスイング

体が目標方向に突っ込んでしまうダウンスイングも×。腕が伸ばせても、振り遅れやすくなる


レッスン=宮田成華
●みやた・なるは/1997年生まれ、東京都出身。165cm。19年のプロテストに合格。プロ仲間からも称賛される美的スイングの持ち主。24年はブリヂストンレディス7位タイなどで、初優勝が期待される選手。日立建機所属。


構成=岡田豪太 写真=田中宏幸 協力=日神グループ 平川CC