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バンカーからのアプローチを成功させる簡単テクニック!コツは「ヒザを曲げるだけ」

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バンカーに入ってしまったとき、出すことだけを考えていませんか?今回は、バンカーの距離感が良くなる簡単テクニックを紹介します。

球をどの高さに打ち出すかをイメージする

アプローチの場合は打つ前に球の高さをイメージし、ピンまでの球の転がりを頭の中に描くと思います。ところがバンカーになると、この作業がおろそかになりがち。苦手な人は脱出することに精いっぱい。出すことに苦労しない人も飛距離のコントロールばかりに意識がいってしまっていませんか?

まずは、球をどの高さに打ち出してピンにどう寄せるのか。それを具体的にイメージしましょう。できる・できないは関係なく、球の高さを意識すると距離感が飛躍的によくなります。セットアップやスイングを大きく変える必要はありません。いつも同じ構え方からひとつの打ち方をすれば、球の高さをそろえることができます。

球の高さを意識するのが
狙った距離感を出すコツ!

アマチュアの大半は、バンカーから1回で脱出できたとしても、球が高く上がりすぎてショートしたり、低く飛び出してオーバーしたり。これらは「球の高さを意識する」ことが上達の最重要ポイントだ。

原因①打ち方がバラバラ

上から極端に打ち込んだり、カット軌道で打つのは、脱出できたとしても、安定したショットにはならない。ひとつの打ち方で振り幅も同じにすれ、ミスが出にくく本番に強くなる。

原因②セットアップがバラバラ

球の位置やフェースの開き方、スタンスの向きなどを打つたびに変えると、結果がバラついてしまう。特殊な状況を除き、いつも同じ構え方をしたほうが簡単で、球の高さをそろえられる。

バンカーは深さで考えよう!
アプローチより1センチ
ヒザを深く曲げる

アプローチのアドレスからヒザを1センチ深く曲げると、ヘッドが砂の中に1センチもぐる。これがバンカーを「深さ」で考える基本です。ヒザを曲げたぶんだけ砂が取れるので、ヘッドを入れる位置は意識する必要がなく、アバウトで大丈夫です。

ヒザの1センチは体感でOK。いいかえると、通常よりヒザを少し深く曲げて、体の重心を下げるだけ。足を砂の中に埋める方法もありますが、砂が硬い・やわらかいによって深さが変わってしまう。ヒザの角度なら砂の硬さを問いません。

“深さ”で球の高さと
飛距離をコントロール

“深さ”とはヘッドがもぐる深さであり、砂を取る深さ。この深さでバンカーを考えると、思考も打ち方もシンプルになる

ヒザを1センチ曲げたときの
球の高さと飛距離をチェック

ヘッドスピードやパワーなどによって個人差があるが、20~30ヤードくらいが一般的。この球の高さと飛距離を基準にする。

バンカーのアドレス

アプローチのアドレスから体感でヒザを1センチ深く曲げて、体の重心を下げる。これでヘッドが1センチ深くもぐる

アプローチのアドレス

ヒザを軽く曲げて構える。バンカーでもこのアドレスのままだと、深さが足りずに、ホームランのミスが出る

やや左重心で球は左足寄り

バンカーが苦手な人は、体重を左ヒザに乗せて、やや左重心にしたほうが脱出しやすい。球の位置は左足寄り。球を右に置くとヘッドが砂に刺さり、抜けなくなるので注意しよう。

スコップで砂をすくうとき、体の右側より左側の砂のほうがすくいやすく、砂とボールを一緒に運べる。バンカーも同じ。

右側の球位置の砂はすくいにくく、スコップが砂に刺さってしまう。

ヒザの高さを保つと
球の高さがそろう

球の高さをそろえるには、スイング中の両ヒザの高さを保つことが必須。ヒザを1センチ深く曲げたら、その角度をフォローまで保ち続けてください。

それにはコンパクトなスイングが欠かせません。足場が不安定なバンカーで大振りすると、ヒザの高さが変わってしまうからです。スリークォーターかハーフスイングに統一し、つねに同じ振り幅にしましょう。

また、無理に上から打ち込んだり、球をすくい上げたりするのもNG。ヒザの角度が変わると体が上下動し、大きなミスになるので注意してください。

コンパクトに振れば上下動しない

バンカーのスイングは、スリークォーターかハーフスイングに統一。つねに同じ振り幅なら、ヒザの角度が変わらず、ショットが安定する。

球をすくい上げる

フォローでヒザが伸びて体が起き上がると、ホームランやトップのミスが出る。大振りをするほど、このミスが出やすくなる。

無理に打ち込む

体が沈みこんで、左右のヒザの高さが変わってしまう。アドレスでヒザを深く曲げていれば、上から打ち込む必要はない。

手首をやわらかく使って砂を飛ばす

もうひとつ大事なのは、手首をやわらかく使うことです。アプローチでやわらかい球を打つ感じでヘッドを走らせ、砂とボールを一緒に飛ばしましょう。

バンカーが苦手な人ほどリキんでしまい、手や腕、肩に余計な力が入りがち。すると手首が硬くなり、ヘッドが走らなくなるので注意が必要です。

この応用テクニックとして、高い球と低い球の打ち分けができます。手首をやわらかくしたまま、砂を高く飛ばせば高い球に、砂を低く飛ばせば低い球になる。雪かきで雪を放り投げるように、砂を飛ばす高さを変えることがポイントです。

砂を低く飛ばすと低い球になる

雪かきで雪を低い場所に放り投げるように、砂を低く飛ばす。球の位置やフェースの開き方はいつもと同じでOK。

砂を高く飛ばすと高い球になる

手首をよりやわらかく、しなやかに使い、雪を高い場所に放り投げるように、砂を高く飛ばすのが応用テクニック。

ピンが近いときほど
ヒザを深く曲げる

ヒザを1センチ曲げたときの球の高さと飛距離(20 ~30ヤード)をチェックしたら、次はヒザを2センチと3センチ曲げて、それぞれの球の高さと飛距離をチェックしてください。

ヒザを2センチ曲げると、ヘッドは砂の中に2センチもぐり、飛距離は10から20ヤードに。3センチの場合は5から10ヤードになると思います。こうしてヒザの角度を調整すれば、フェースの開き方や打ち方を変えなくても、飛距離のコントロールができます。ただし、体とボールの間隔が狭いとヒザを曲げにくいので、アプローチよりその間隔を広くしましょう。

打ち方は同じだから簡単!

ヒザの角度を変えるだけで、打ち方は同じ。フェースの開き方やスタンスの向き、振り幅などは同じにしたほうが、球の高さがそろう

ヒザを深く曲げる場合は、アプローチのときより、体とボールの間隔を広くして、スタンスも広めにする

体とボールの間隔がアプローチのときと同じだと、ヒザを曲げにくく、窮屈なアドレスになってしまう

【ピンまで10~20ヤード】
深さ2センチ

砂を取る深さが1センチの場合は20~30ヤード、2センチなら10~20ヤードくらいの飛距離が出る

【ピンまで10ヤード以内】
深さ3センチ

ヒザを3センチ深く曲げて、砂を3センチ深く取る。砂が硬い、あるいは少ないときは、ヒザを少し曲げて、よりコンパクトに振る

【深さ2センチのバンカーショット】
ヒザを深く曲げたぶんだけ
砂が取れる

ヒザを曲げたぶんだけ、ヘッドはボールの手前から自然に入り、砂が深く取れる。これで10~20ヤード飛ぶ

【深さ3センチのバンカーショット】
ヒザをしっかり曲げて
重心を下げる

同じ打ち方でも砂が深く取れるので、飛距離が5から10ヤードになる。インパクトがゆるまないように振り抜こう。


レッスン=高橋佑弥
●たかはし・ゆうや/1997年生まれ、宮城県出身。東北高校時代に団体戦で全国優勝。中央学院大学ゴルフ部を経て、PGAティーチングプロの資格を取得。現在は首都圏を中心にレッスン活動をしている。


構成=小山俊正 写真=相田克己 協力=木更津ゴルフクラブ