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アイアンがなかなか上達しないなら「右手リード」を試してみて

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ゴルフを1年以上やってきてアイアンがうまくならない人はこのレッスンを試してみてください。インパクトがぶ厚くなって方向も距離感もそろう練習方法をご紹介します。

アイアンがうまくならない人は
右手をもっと使おう!

クラブは左手リードで振るのが定説だが、1年以上のキャリアがあるのにアイアンがまったくうまくならない人は「左手から右手リードに変えてみてください」と植村啓太。

「右利きの右打ちなら、器用に動かせる右手を上手に使ったほうが上達は絶対に早い!」という。そこで右リードのスイングをレッスン。

右手リードでダウンスイングのタメとハンドファーストのインパクトをつくる!

右手リードでヘッドを走らせながらボールを真っすぐ押し込む!

トップまで
右ヒジはつねに下に向けておく

左手と右手の役割は違う、という意識をもっていますか?

左手の役割はスイングの軌道を整え、フォローの円弧を大きくする。右手はクラブのタメをつくりヘッドを加速させて飛距離を伸ばすために使います。両手をバランスよく使うことが大事ですが、右利きの人でアイアンが苦手な人は右手をもっと積極的に使うスイングにトライしてみましょう。

まずはバックスイング。右手リードでも右手の使いすぎはNGです。テークバックで右手首を甲側に軽く折り曲げたら、右ヒジを下に向けたままトップへ。トップで右手のひらが斜め上を指すような「出前持ち」の形がつくれたらOKです。左手リードのバックスイングよりもフェース向きと軌道が安定します。

右手リードでつくるトップは、「出前持ち」になってOK!
バックスイング中に右ヒジが体から離れないようにして右ヒジを下に向け、
右手のひらが斜め45度くらい上を向く形をつくろう

クラブを振り上げる動きと連動させて、右手首を軽く甲側に折る。
左手は右手にについてくる感覚でトップへ

バックスイングでは右手首を甲側に軽く折るだけ。「軽く」というのがポイント

右手首を意図的に親指側に折る必要はない。自然にタテに折れる程度でOK。

アドレスで両ヒジを下に向けると、自然と両ワキが適度に締まる


バックスイングで右ヒジが浮くと右ワキが大きくあいてしまう。トップでフェースが開き、スイング軌道も乱れる原因になる。(左)
両腕をダランと下げて、右ヒジが右ワキ腹を指すようなアドレスをつくる。(右)

右ヒジと右手首をやわらかく使って
右腕を積極的に振る

切り返し以降も右手リードで振れば、クラブのタメがつくりやすくなります。インパクトのポジションでは、右手首をまだリリースしません。フォローで右手首を一気にリリースする「右手スナップ」を使ってしっかり振り抜きましょう。

右手リードで正しいスナップを使う感覚をつかむには、右手でボールを持って野球のピッチャーのアンダースローのイメージで右腕を振るのがもっとも効果的。右手の指先でボールを持ち、右ヒジと右手首をやわらかく使ってボールを投げてみてください。右手がうまく使えない人は下半身が止まったままだったり、体の回転が不足したりするのが原因です。体重移動や体の右腕、回転と同調させながらをシャープに振りましょう。

右手でボールを持ち アンダースローで投げてみる(左)
体の回転が先行し右手首にタメができる(右)

右ヒジを右ワキ腹から離さず、右手首のリリースをガマンしてタメをキープ(左)
右手首のリリースはフォローで。リリース前の腕の振りが早くなる(右)

体重移動や体の回転と同調させて右腕を振るのが正しい右手リード。インパクトエリアでは右腕は体の近くを通す。

バックスイングで下半身が止まってしまうと、右腕が体から離れて正しい軌道から外れてしまう。

右手だけ振るのはNG。インパクトで右手首が早くほどけるのは、体の回転と右腕が同調していないためだ。

「右手のひら=フェース面」と考える

右手リードの一番の長所は、インパクトに厚みが出ることです。それによって飛距離が伸びるだけでなく、アイアンにおいては方向性や距離感がよくなります。これは、右手でボールを目標方向に真っすぐ押し込むイメージが大切です。インパクトで右手首を早くリリースしてしまうと、ボールを押し込む感覚が生まれません。

「右手のひらはフェース面と考えてください」。右手首の角度をキープしてフォローへと向かえば、フェースは長くスクエアな向きをキープします。長いインパクトゾーンがつくれるので、ボールを押すように打ててインパクトがぶ厚くなる。これも右手リードのスイングが成すテクニックのひとつです。

ボールの30センチくらい手前から、ヘッドでボールを押して真っすぐ転がすイメージ。実際にこうやって感覚をつかむ練習もオススメ。

右手を目標に向かって真っすぐ押し込むイメージをもつ。フォローで右手が左腰の高さに上がるまで、右手首の角度をキープしよう。

右腕を左側に早く引き込むとインパクトゾーンが短くなってしまう。押し込めないだけでなく、ミートするのも難しい。

インパクトで右手首が手のひら側に折れるとボールを押せない。「右手のひら=フェース面」なので、フェースも力をかけたい方向に向かなくなる。


レッスン=植村啓太
●うえむら・けいた/1977年生まれ。米国ゴルフ留学後、23歳の若さでツアープロコーチとしてデビュー。「K’sアイランドゴルフアカデミー」を主宰し、プロやアマの指導のほかゴルフスクールのプロデュースなど幅広く活躍している。


構成=三代 崇 写真=相田克己 協力=K’sアイランドゴルフアカデミー